2010年5月31日
☆2010年スローガン・・・スリーリッチになる年!
☆東京青山店オープンまであと・・・1195日!
☆毎日の行動テーマ『作業から志事へバージョンアップ!』
最近縁あって「てんぷらみかわ」の店主、早乙女氏の本を読んでいる。
本物の職人がいる名店として東京でも有名な天ぷら屋さんです。
早乙女氏は趣味で陶芸を愛され、そのこりようは中途半端ではないと書かれている。
ひとつのことに、とことんこだわる。これが「てんぷらみかわ」の原点なのでしょう。
私はプロとしてお客様に天ぷらを出しているが、勉強していくと知らないことが多く恥ずかしくなる。
もちろん天ぷら専門店ではないのだけど、うどんとは切っても切れない関係の天ぷらについて少し無知であった。
当り前のことのようだが、揚げるという調理方法に一番適した食材が美味しい天ぷらの原点だということ。
「てんぷらみかわ」のような名店にいくと大体メニューは決まっている。
海老、キス、穴子、烏賊(いか)などです。
これらは、ほかの調理方法より、揚げることにより脱水が行われ、うまみが凝縮し美味しくなる。
また揚げるという調理方法は高温の油のなかで、焼くと蒸すを同時に行う。
この特性に一番適した食材が、海老やキス、穴子などで、メニューは必然的に似てくる。
てんぷらの衣も、一般的には氷水などで作るとよいとあるが、これにもちゃんと理屈がある。
天ぷら粉、すなわち小麦粉は水でとくと粘りが出る性格のもの。
衣に粘りがでてしまうと、食材を「まく」で覆ってしまい、うまく脱水という調理ができなくなる。
だから冷やすことにより、いかに粘りをださないか「まく」を作らないかで味が変わってくる。
サクサクした衣も、この「まく」が出来てしまうとベタっとなる。
また、揚げる油の温度も一般的には、170℃~180℃と言われているが、これの根拠はもう古い。
今では、油の精製技術がすすみ220~230℃でも問題がない。
これを生かし魚介などは、210℃の高温でサッと揚げ脱水を瞬時にし、外はパリッと中身はフワッとに仕上がる。
名店の穴子天ぷらは揚げたてだと箸でサクッと簡単に折れる、まさしくパリッ!フワッ!の世界だ。
もちろん食材も採れる時期や場所などで揚げ方もかえる。
早乙女氏によると、このようなこだわりはお客様の口に入るまで100項目ほどのポイントを押さえて出すという。
そして最後の工程の揚げているときは真剣勝負をしているのでほとんど無口になるらしい。
会話で楽しんでもらうより、天ぷらの味が一番大切なコミュニケーションだということも、これらでわかる。
ほかにも勉強するとたくさんあるが、またの機会にします。
今回学んだことは、本物を知った上で私たちの仕事に生かす。
まったく同じことをしても業態が違う以上意味がなくなることもある。
本来の天ぷらという調理方法を生かし、主役のうどんの大切な脇役にすること、これが日本の文化を継承することにも繋がるでしょう。
感謝!!